クロスサテライト

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ウルトラマンタイガ 総評

ウルトラマンタイガが本日最終回を迎えました。

恐らくは割と賛否割れてる作品じゃないかなーとは想像していますが、
そのへんも踏まえつつ、かんたんに総評してみたいなーと思います。
twitterには書ききれないので…)

自分はタイガに対しては賛否で言えば賛寄りの立場ですので、
その点は読む前にご了承ください。


よかった点
・単発回が多く、総じてレベルも高かった
1話完結の回が前年のジードやルーブに比べて本数があり、
それでいて中々に見ごたえのある回が多く、非常に楽しめました。
「星の復讐者」「円盤が来ない」「夕映えの戦士」「新しき世界のために」
「砂のお城」「地球の友人」「タッコングは謎だ」「激突!ウルトラビッグマッチ!」
これらが面白かったのですが、全体の話数から考えて打率が非常に高い。
面白い回が後半に続いたのも、オーブジードルーブと3作連続で後半息切れしてたことを考えると評価しています。

・特撮演出
田口監督の特撮が好きなので、
前半の3本で田口監督担当回が終わっちゃうのは残念だなと思っていたのですが、
蓋を開けてみれば他の監督も負けないクオリティになってて正直びっくりしました。
全体的に巨大感の演出はよくできていましたし、
ミニチュアのクオリティもものすごかったです。
ギンガ無印の頃から考えると、よくぞここまで来たものだと。

・タイタスのキャラクター
これは言うまでもないですね。
強さに説得力のあるあの筋肉!それでいて賢者な性格なところ。
「私のウルトラマッスルが許さんぞ!」の意味不明さ、全部大好きです。


悪かった点
・前後編の後編がことごとく外れ回
タイガは基本的には好きなんですけど、
「悪魔を討て!」「それでも宇宙は夢を見る」の前後編の後編がどっちもかなり微妙な出来で、
正直見終わった後は「ええ…?」って思ってました。
ファンタジー寄りなのはまあともかく、
苦境からの逆転劇に納得感が薄いというか、唐突というか。
両方とも「不思議な力を持った少女」という構成で被ってるのも痛い。
「我らは一つ」にしても、この話単独で見ればまだましなのですが、
トライスクワッドの描写積み重ね不足もあり、
そこまで入り込めませんでした。
山場回が総じて微妙だと、他人へのお勧めは難しくなっちゃいます。

・宣伝文句と作風の食い違い
ウルトラマンタイガが始まった当初、この作品はどういった作品だ?という宣伝文句は以下のような感じだったと思います。
ウルトラマンタロウの息子タイガが、タイタス・フーマの二人のウルトラマンと一緒に悪のウルトラマン、トレギアに立ち向かう物語」
これで視聴側が見たいと思うものは、
仮面ライダー電王のイマジンようにウルトラマンがわちゃわちゃする様子だったり、
トレギアとの縦軸を通した物語だったり、
タロウ要素(コミカル面・ファンタジー面、あるいはメビウスやギンガといったタロウ関係者との絡み)
だったりするわけです。
しかし、蓋を開けてみれば、セブンのようなSF小噺単発回が多く、
パロディも帰マン多めと
制作側と視聴者側にミスマッチが起こってしまいました。
上層部と現場が連携うまく出来ていないのかな…?とも。
トライスクワッドの会話シーンも少なく、
これは「我らは一つ」回の説得力の弱さにも繋がっています。
私はそれはそれで楽しめましたが、
見たいものが見れなくてがっかりした人が多いのも理解はできます。

…私がかつて超次元ゲイムネプテューヌにそこまでハマり切れなかったのは、
基本ネプテューヌが前面に出てて、変身後パープルハートの出番が少なかったからだったりしますし(関係ない)

・タイガのキャラクターの薄さ
ニュージェネクライマックスの予告だったりでニュージェネの面子が勢ぞろいした時にも感じたのですが、
タイガというキャラクターが2クールやったのに全然見えてきません。
未熟なところから成長するタイプのキャラクターだと思うのですが、
タイガ自身が成長した描写はこれといって無く、
ギンガ~ルーブと比較して、非常にキャラが弱いんです。
作品として決して褒められた出来では無かったルーブにしても、
湊兄弟のキャラ自体は非常に立っており、
ギャラクシーファイトでその魅力をいかんなく発揮しています。
一方のタイガ、ニュージェネのメンバーと並んだ時、
キャラ立つイメージがわかないんですよね。
タイガのフィギュアーツをそこまで欲しいと思わない(タイタスは欲しい)のも、
このあたりに要因がありそうです。

 

その他
・ボイスドラマはなあ…。ウルトラマン3人が漫才する回は楽しいんですが、
過去話は声だけでされても…という感じで今ひとつ乗り切れませんでした。
グリッドマンでの試みが好評だったのでウルトラにも取り入れたのでしょうが、
ギャグのみに留めておいた方がよかったかなーなんて。

・ニュージェネクライマックス、楽しみです。
タロウの闇落ちに引っかかってる人もいるようですが、
よくある展開だなということで個人的には特に気になりませんでした。
中村悠一の名前がキャストに無く、またXが大地のみかという懸念点はありますが…。
俳優が呼べるのに声優が呼べないパターンも特撮では珍しい(普通逆)


総評
なんか悪かった点の方が文章長くなってしまいましたが、
ルーブジードと最近のウルトラマンは縦軸強めが続いてたこともあり、
単発回に力を入れてたタイガは楽しめました。
後半息切れしなかったのもあって好感触のまま終わったのも大きいです。

ニュージェネの作品を好きな順に並べるとこうなりました。
X>ルーブ前半>オーブ>ジード最高点>タイガ>ジード平均点>ギンガ>ルーブ後半>ギンガS
(作品として。キャラとして好きな順はまた別)

ただ、セブンや帰マン後半みたいな話が多かったので、
見たいものが見れてないという不満の声が上がるのも理解はできます。
総評すると、「SF小噺」を求めて見れば中々に粒ぞろいですが
「ヒーロー」を求めて見ると物足りない、という所でしょうか。
ネクサスが商業的に大失敗した過去の経験から、
ビターエンド多めにする上でバランスを取ろうとした結果だとは思うんですが、
2クールでそれをやるには設定を盛り込み過ぎだったのかなと思います。

 

以上。